多発性硬化症の新薬テクフィデラ(フマル酸ジメチル)の治験を受ける前に知っておきたい7つのこと

多発性硬化症の新薬テクフィデラ®カプセル(フマル酸ジメチル)について

多発性硬化症は、手足の麻痺、しびれ、歩行障害、視力障害、排尿障害など多種多様な重篤な神経症状を示す慢性の神経疾患です。

多発性硬化症の原因は未だにはっきりしていませんが、ウイルス、細菌などの外敵から体を守る免疫で重要な役割を担うリンパ球が、何らかのきっかけで自分の体を外敵とみなして誤って自分自身を攻撃してしまう自己免疫疾患の1つと考えられています。

多発性硬化症は再発、寛解を繰り返しながら慢性に経過します。再発の回数は1年に1回3、4回する人もいれば、数年に1回など人により異なります。

再発の可能性が高い慢性疾患であるだけに、多発性硬化症の患者さんはこの病気と長く付き合わなければなりません。そのため、有効性は同等のまま注射剤でなく経口で服薬できる新薬の開発が求められており、この度

テクフィデラ

が国内で承認されたのです。テクフィデラは既に米国では承認されており、2015年の世界売上高は36億ドルと、たくさんの多発性硬化症患者さんの治療に使われています。

その反面、23万人中14人の患者さんに肝障害の発症が確認されるなど安全性も懸念されておりますが、

優れた医薬品はリスクよりもベネフィットが上回るからこそ、優れているのです。テクフィデラは既存治療薬と同等以上の有効性を担保しながら、経口薬という剤形で治療ができますので、より多くの日本人多発性硬化症の患者さんの治療に寄与するでしょう。

テクフィデラ®カプセル(フマル酸ジメチル)の添付文書情報

製品名

テクフィデラ®カプセル(Tecfidera)

一般名

フマル酸ジメチル(Dimethyl Fumarate)

用法用量

1日240mgを1日2回に分けて経口投与することから開始し、1週間後に増量し1日480mgを1日2回に分けて経口投与

効能効果

多発性硬化症の再発予防及び身体的障害の進行抑制

主な副作用

潮紅、下痢、腹痛、悪心、ほてり、そう痒症、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加

製造承認日

2016年12月19日

テクフィデラ®カプセル(フマル酸ジメチル)の作用機序


テクフィデラはNRF2(nuclear factor-like 2)転写経路を活性化し、脱ミエリン化を引きおこすことで、酸化ストレスを減弱させる

テクフィデラ®カプセル(フマル酸ジメチル)の最新文献

1)Placebo-Controlled Phase 3 Study of Oral BG-12 or Glatiramer in Multiple Sclerosis

文献の概要

再発寛解型多発性硬化症患者さんに対してテクフィデラ240mgを1日2回もしくは3回投与する郡、またはプラセボを投与する郡に分けて、その有効性(2年間再発率)を比較検証した試験。その結果、多発性硬化症の再発率をプラセボと比較してテクフィデラは有意に低減することが判った。

文献の出典

The New England Journal Medicine

文献の発刊日

2012年9月20日

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テクフィデラ®カプセル(フマル酸ジメチル)の治験情報

1)An Efficacy and Safety Study of BG00012 (Dimethyl Fumarate) in Asian Subjects With Relapsing Remitting Multiple Sclerosis (RRMS)

治験の概要

再発寛解型多発性硬化症患者さんに対して、テクフィデラを投与する郡、またはプラセボを投与する郡に分けて、その有効性(頭部MRI検査による投与12、16、20及び24週目の新規Gd造影病巣数の減少率)を比較検証する治験

治験の期限

2019年10月

参考資料

1)バイオジェン・ジャパンプレスリリース
2)多発性硬化症治療ガイドライン


多発性硬化症治療ガイドライン