クローン病の新薬エンティビオ(ベドリズマブ)の治験を受ける前に知っておきたい7つのこと

この記事の科学的根拠★★★★★

クローン病とエンティビオ(ベドリズマブ)について

クローン病とは主に大腸や小腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍を発症させる疾患です。この病気であることに気づきやすい症状としては排便回数の増加です。

日本国内での患者数は約4万人、10万人あたり27人程度の発症確率です。発症年齢は10代から20代の歳以下の若年者に多いことが判っていますが、その原因は不明です。遺伝、細菌・ウィルス感染など複数の要因がクローン病を発症させる因子として考えられています。

クローン病と似た症状が出る疾患には潰瘍性大腸炎がありますが、クローン病と潰瘍性大腸炎の違いはクローン病による炎症部位が消化管内部のあらゆる部位なのに対して、潰瘍性大腸炎の炎症部位は大腸だけに限定する点です。

クローン病の死亡率は重症度にもよりますが健常人と同じです。ただし、クローン病の患者さんは大腸癌を発症させる確率が2.4倍、小腸癌を発症させる確率が28倍高いという報告もありますので、クローン病以外の死亡率を加味すると健常人より死亡率は高くなります。

クローン病の治療方法は基本的に薬物療法、栄養療法など内科的治療が施されますが、10年で7割の患者さんが手術を受ける病気です。治療の進歩により年々手術率は減少傾向にあり、武田薬品工業が開発した新薬

エンティビオ(ベドリズマブ)

により更なる手術率の減少が期待されています。

エンティビオ(ベドリズマブ)の添付文書情報(未定)

製品名

エンティビオ

一般名

ベドリズマブ

用法用量

未定(0週、2週、6週、以後は8週毎に、1回300 mgを約30分かけて静脈内投与。投与中は、患者の状態を投与が完了するまで観察すること。)

効能効果

未定(クローン病:抗TNFα抗体または免疫調節薬による治療に対し、効果不十分、効果が持続しない、もしくは不耐性である、あるいはコルチコステロイドによる治療に対し、効果不十分、不耐性である、もしくは依存性を示す、成人の、中等度から重度の活動期クローン病に対する臨床症状の改善および寛解の達成、ならびにコルチコステロイド非併用下での寛解達成)

主な副作用

未定(悪心、鼻咽頭炎、上気道感染、関節痛、発熱、疲労、頭痛、咳)

製造承認日

未定

エンティビオ(ベドリズマブ)の作用機序

α4β7インテグリンに特異的に結合し、α4β7インテグリンの細胞接着分子への結合を阻害することにより、特定のリンパ球の消化管細胞への浸潤を阻害

エンティビオ(ベドリズマブ)の最新情報

1)Vedolizumab as Induction and Maintenance Therapy for Crohn’s Disease

概要

活動期クローン病患者に対してエンティビオを投与する群、又はプラセボを投与する群にわけ、投与から6 週時点における有効率、52週時点における臨床的寛解率を比較検証した試験。結果、プラセボ群に比べてエンティビオが有効率、寛解率ともに有意に高いことがわかりました。

出典

The New England Journal of Medicine

配信日

2013年8月22日

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エンティビオ(ベドリズマブ)の治験情報

1)Vedolizumab Subcutaneous Long-Term Open-Label Extension Study

治験の概要

潰瘍性大腸炎又はクローン病患者に対してエンティビオを皮下投与し、その副作用発症率を検証する治験。

治験の期限

2021年8月11日

2)Efficacy and Safety of Vedolizumab Subcutaneous (SC) as Maintenance Therapy in Crohn’s Disease

治験の概要

エンティビオの導入療法でCR(完全奏効)を達成した中等度から高度クローン病患者に対して、エンティビオの維持療法を皮下投与で52週時点における寛解維持率をプラセボと比較検証する治験

治験の期限

2018年8月11日

参照
1)武田薬品工業株式会社プレスリリース
2)潰瘍性大腸炎の診療ガイド