界面活性剤危険と騒ぐ人に限って界面活性剤が顔についている件

この記事の科学的根拠レベル★★☆☆☆

界面活性剤

神奈川県横浜市の大口病院に入院する患者の点滴に異物が混入されて死亡した事件。死亡解剖の結果、遺体に含まれた異物は・・・

界面活性剤

であることが判りました。この結果を受け、「界面活性剤危険」と震える人が続出しておりますが、その無知さに私は震えております。

なぜなら、界面活性剤でなくても牛乳でもコーラでもメロンジュースでも、体に入れる経路次第で人を簡単に殺せるからです。

界面活性剤とは、界面(物質の境の面)に作用し、その性質を変化させる物質の総称です。

例えば、水と油のように混じり合わない物質を混じり合わせることができるのは、界面活性剤の乳化作用が働いているからです。

例えば、ウールのように繊維の中に水が入りにくい物質を水に浸せるのは、界面活性剤の浸透作用が働いているからです。

例えば、墨汁のように水とススが分離せずに混ざり合うのは、界面活性剤の分散作用が働いているからです。

以上のように、界面活性剤は浸透、乳化、分散という3つの働きを持つ物質として汎用性が高く、点滴以外にも洗剤、化粧品などの日常生活に欠かせない生活品に含まれています。

界面活性剤で溢れた社会にも関わらず死者が少ない理由は、洗濯、化粧などを放棄した主婦が多いからか、界面活性剤が安全に使用されているかのどちらかです。

答えは当然後者で、今回の事件の真の死因は界面活性剤という物質というよりも、界面活性剤の不適切な使用(投与)にあります。

物質を体内に導入する経路としては、口から服用するもの経口投与、舌の下に置く舌下投与、鼻の中に噴霧し鼻粘膜を通して吸収する経鼻投与、眼に差す点眼、貼り薬・塗り薬から皮膚を通じた経皮的吸収、直腸、膣に直接挿入する経直腸投与と経腟投与など複数あります。

界面活性剤が投与された経路は注射を静脈に刺す静脈内投与というもので、消化管を通さずに血流内に入るため他の投与経路と比較して投与された物質の効果発現のスピードが最も速く、物質の吸収率が高い投与方法です。

つまり、静脈から牛乳を飲む時は口から牛乳を飲む時の量よりも少なくしないと、鼻から出てくる可能性があるということです。

チャラリー鼻から牛乳

違うか。もちろん、界面活性剤は洗剤、化粧品だけでなく医薬品にも含まれているように、薬の吸収率を高める働きがありますので今回の事件を引き起こした原因であることは否定できません。

界面活性剤が混入される前に点滴静注されていた栄養剤の吸収率が、界面活性剤の混入により急激に上昇したことで起きた中毒症状による死である可能性もあります。

しかし、包丁が野菜でも人でも切れるように、界面活性剤も使い方次第で毒にも薬にもなるというだけの話です。

今回の事件を機に「界面活性剤危険」と騒ぐ人がいたら、「あなたの顔にも界面活性剤付いてるよ」って教えてあげてください。